市田柿のふるさとウェブ版
豆知識「なるほど!!市田柿」
気象災害と市田柿
大正十年(一九二一)に市田柿が誕生してから約九十年。収穫、加工、出荷までの期間が短い上、仕上がりが天候・気温に左右されやすい点、小規模生産の農家での設備導入が進みづらかった点などから、市田柿は様々な気象災害に直面してきました。
昭和五十七年(一九八二)十一月には、長雨でカビが発生し、未曾有の大被害に見舞われました。硫黄薫蒸によるカビ予防効果は約五日間とされ、多雨・高温・多湿などの場合は五日ごとに繰り返し行うことが望ましいといわれていましたが、亜硫酸類の残留基準が厳しくチェックされていた面もあり、当時、硫黄薫蒸を繰り返す農家は少なかったようです。焼酎でカビの発生を抑えられるという噂が広がり、焼酎が売り切れる酒屋が続出したという話も残っています。
最近では、平成二十年(二〇〇八)八月の降雹被害が記憶に新しいところです。下伊那郡北部を中心に落果などの被害が出ました。生産量減少が懸念されましたが、高齢化で干柿加工をしない農家の生柿を被害農家に仲介するなどの対策がとられました。